ふわっと軽いファンデーション
誰もが、家族や友人そして世間から、自分が人間であり、考え、創造し、言葉を使い、社会の一員として、もって生まれたスキルを伸ばすことを学んできた。
また、人間の価値や行動、達成度といったものを判断する基準を教わるのは世間からだ。
そうした基準がなかったとしたら、自分に対する期待を何におけばいいか考えられないだろう。
まさにそこが、完壁主義の始まりだ。
他者が定めた基準に自分を完壁に合わせようと、懸命になるのだ。
他者とは、人生を完成させる力になる人、影響を与えながら私たちの中にすみつく人、あるいは説明のっけようがない紳で結ばれた人たちだ。
結局、完壁であろうとすることは、そうした人たちを喜ばせることによって自分自身が喜びを感じることだ。
無意識の社会的努力そのものといえる。
完壁主義をつらぬく社会的な力と、完壁主義から解放されるために精神的に変わろうとする力は、どちらも「人に受け入れてほしい」という深い欲求そのものだ。
私たちは、子供のころからいい人になるように訓練されてきたため、やれることは何でも手がけ、大切な人々にいい印象を与えて、彼らを近づけておこうとする。
自分自身を受け入れるように教わる代わりに、社会的に受け入れられるよう訓練されてきたので、失敗すると傷ついてしまう。
Fはパーティで上司の友人3人に会ったが、名前を覚えていないのに気づいて慌てた。
恥をかかずにどう彼らから離れるか、おどおどしながら数分を過ごした。
Jは夫の会社のスタッフを大勢招待することになり、安いワインを探した。
「最近ジンファンデル(黒ブドウ)の白ワインを出してくれる家はないな」とささやく声を耳にした彼女には、その夜は最悪の結果になった。
Tは朝礼のスピーチの準備を念入りにした。
何人かは、役に立ったと言ってくれたが、出だしでつまずいたことが、その週の間中、彼の頭から離れなかった。
Kは最近出会った男性が気に入ったのだが、彼の好みはほっそりとした女性だという。
そこで彼女はダイエットを始め、週に6日も重量挙げやエアロビクスで汗を流した。
ところが彼は、「じつはポッチャリした女性とつきあっている」と彼女に告げた。
心理学者の話では、「受け入れてほしい」という強烈な願望を抱くのは両親の影響が大きいという。
子供のころでも反抗期でもたとえ親は亡くなっていたところで変わらない。
その徹底した願望は、赤ちゃんのころ親に抱かれ、愛された紳を取り戻そうとしているしるしかもしれない。
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